富山の地震

富山の地震 活断層・耐震基準
富山の地震

富山の地震

富山県は海と山に囲まれています。立山連峰は時には富山平野に雪を降らせ、水という恵みをもたらせてくれます。そんな雄大な立山連峰は、麓に住む私たちを地震から守ってくれています。近年の住宅には地盤調査が必須となり、地盤がゆるい場所では地盤改良工事をしなければいけませんが、隣県の石川県と比較すると明らかに地盤は固いというのが特長です。

過去の地震に学ぶ

世界では、マグニチュード6.0以上の地震が、1週間に3回発生してます

地球は、大陸プレートが移動しているため、毎日どこかで、常に地震が発生しています。この地震の発生状況について、米国地質調査所のホームページで地震統計が公開されています。過去60年間に発生したマグニチュード6.0以上の地震について、調べてみました。マグニチュード6.0~6.9の大地震は、年平均で約127回。マグニチュード7.0~7.9の巨大地震は、年平均で約13回。マグニチュード8.0を超える超巨大地震は、年1回発生しています。 1961年~2020年の60年間に、マグニチュード6.0以上の地震は、世界中で8,457回発生していますので、平均すると、毎年141回発生しています。実に、1週間に3回のペースになります。

 

年代 1961~1970年 1971~1980年 1981~1990年 1991~2000年 2001~2010年 2011~2020年 合計
M6.0~M6.9 1,232 957 1,231 1,391 1,451 1,298 7,617
M7.0~M7.9 133 115 118 144 140 135 791
M8.0以上 9 5 4 7 13 10 49
合計 1,374 1,077 1,353 1,542 1,604 1,443 8,457
年代 M6.0~M6.9 M7.0~M7.9 M8.0以上 合計
1961~1970年 1,232 133 9 1,374
1971~1980年 957 115 5 1,077
1981~1990年 1,231 118 4 1,353
1991~2000年 1,391 144 7 1,542
2001~2010年 1,451 140 13 1,604
2011~2020年 1,298 135 10 1,443
合計 7,617 791 49 8,457

参考:U.S. Geological Survey(米国地質調査所)地震統計

日本では、マグニチュード6.0以上の地震が、毎月発生しています

日本では、マグニチュード6.0~6.9の大地震が、年平均で約10回。マグニチュード7.0~7.9の巨大地震が、年平均で約1回。マグニチュード8.0を超える超巨大地震が、20年に1回の割合で発生しています。2011年の東日本大震災は、マグニチュード9.1。2003年の宮城県沖地震 は、マグニチュード8.2。1968年の十勝沖地震は、マグニチュード8.2と記録されています。(マグニチュードの値については、米国地質調査所と日本の気象庁の発表に差異が発生しています) 驚くべきことに、世界で発生しているマグニチュード6.0以上の地震の7.5%が、日本で発生しているのです。1961年~2020年の60年間に、マグニチュード6.0以上の地震は、日本で635回発生しています。年平均で約11回ですから、ほぼ毎月、マグニチュード6.0以上の地震が発生していることになります。

年代 1961~1970年 1971~1980年 1981~1990年 1991~2000年 2001~2010年 2011~2020年 合計(日本/世界)
M6.0~M6.9 123 50 77 93 81 147 572(7.5%)
M7.0~M7.9 17 5 6 8 14 10 60(7.6%)
M8.0以上 1(十勝沖地震) 0 0 0 1(宮城県沖地震) 1(東日本大震災) 3(6.1%)
合計 281 110 166 202 191 315 635(7.5%)
年代 M6.0~M6.9 M7.0~M7.9 M8.0以上 合計
1961~1970年 123 17 1 281
1971~1980年 50 5 0 110
1981~1990年 77 6 0 166
1991~2000年 93 8 0 202
2001~2010年 81 14 1 191
2011~2020年 147 10 1 315
合計
(日本/世界)
572
(7.5%)
60
(7.6%)
3
(6.1%)
635
(7.5%)

参考:U.S. Geological Survey(米国地質調査所)地震統計

2016年熊本地震

2016年4月に熊本地震が発生しました。震源から約65kmの鳥栖市では、最大震度4が観測されました。 この熊本地震の特徴は、震度7が2回、震度6が5回と、直下型地震が連鎖的に発生したことです。建物の構造は、1回の地震にどれだけ耐えることができるかを前提に、設計されてきました。震度6~7回の揺れを、繰り返し7回も受けることを想定していなかったのです。ここに、人間の知恵が及ばない、自然力の怖さがあります。熊本地震が発生する前は、一般的に市民の間で「熊本では地震が起きない」と言われていたようです。 下記の図は、九州北部の活断層と、2016年4月に発生した熊本地震の発生状況をプロットしたものです。この活断層地図では、熊本は、西日本を横切る長大な断層の連なり「中央構造線」の西端に当たることがよくわかります。

富山県の活断層

富山県にも多くの活断層が確認されています。平野部には、未確定の活断層も多く存在しています。

耐震基準

地震被害を教訓に、建物の耐震基準は、常に見直されてきました

耐震基準とは、建築物の構造が地震に耐えることができるかどうかの指標です。1919年(大正8年)に「市街地建築物法」制定され、木造の建物の耐震基準が規定されました。1923年(大正12年)9月1日の関東大震災が発生し、甚大な被害があったことから、1924年(大正13年)に「市街地建築物法」が大改訂され、木造の柱を太くすることや、鉄筋コンクリート造の耐震基準も規定されました。

図中の〇内数値は、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が16万棟の耐震診断結果から算定した、建築年別の総合評点。

旧耐震基準

「市街地建築物法」が廃止され、昭和25年(1950年)5月24日に「建築基準法」が施行されました。建築基準法は、新たな建物を建築する際に、建築の基準となる諸条件を定めた法律です。この建築基準法において、木造や鉄筋コンクリート造の建物に関する耐震基準が規定され、10年に一度発生すると考えられる中規模の地震動(震度5強程度)に対して、家屋が倒壊・崩壊しないようにというものでした。1981年5月まで約30年にわたり運用され、旧耐震基準と呼ばれています。
旧耐震基準では、震度5強よりも大きい大規模の地震動(震度6強~7程度)は、想定されていませんでした。
1978年(昭和53年)に、マグニチュード7.4の宮城県沖地震が発生し、仙台市では最大震度5が観測されました。建物は旧耐震基準で設計されていたため、建物全壊1,377棟、半壊6,123棟、一部破損125,370棟、死者27名、負傷者10,962名という甚大な被害がありました。

新耐震基準

宮城県沖地震をきっかけに、1981年(昭和56年)6月1日に建築基準法が改正されました。中規模の地震動(震度5強程度)で、家屋がほとんど損傷しない、大規模の地震動(震度6強~7程度)で、家屋が倒壊・崩壊しないようにするという、耐震基準の大改定がありました。この基準は、現在においても引き継がれており、新耐震基準と呼ばれています。

断層資料

093-01 くれはやま
呉羽山活動セグメント
所属起震断層名 : 呉羽山起震断層
富山県東部,富山平野の中央を北東-南西方向に延びる北西側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002),都市圏活断層図「富山」,富山大学・地域地盤環境研究所(2011)による.

090-01 うおづ
魚津活動セグメント
所属起震断層名 : 魚津起震断層
富山県東部,富山湾の東岸に沿って北東-南西方向に延びる南東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002),都市圏活断層図「泊」,「魚津」による.

133-01 たかしょうず
活動セグメント
所属起震断層名 : 高清水起震断層
富山県西部,砺波平野の東縁を北東-南西方向に延びる南東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002),都市圏活断層図「砺波」による.

131-02 ほうりんじ
法林寺活動セグメント
所属起震断層名 : 石動起震断層
富山県西部,砺波平野の西縁を北東-南西方向に延びる北西側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002),都市圏活断層図「砺波」による.

131-01 いするぎ
石動活動セグメント
所属起震断層名 : 石動起震断層
富山県西部,砺波平野の西縁を北東-南西方向に延びる北西側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.

107-01 かずら
加須良活動セグメント
所属起震断層名 : 庄川起震断層
石川県・富山県の境界付近を北北西-南南東方向に延びる左横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

131-01 いするぎ
石動活動セグメント
所属起震断層名 : 石動起震断層
富山県西部,砺波平野の西縁を北東-南西方向に延びる北西側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.

133-02 じょうばな-かみなし
城端-上梨活動セグメント
所属起震断層名 : 高清水起震断層
富山県南西部を北北西-南南東方向に延びる東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

103-01 うしくび
牛首活動セグメント
所属起震断層名 : 牛首起震断層
岐阜県・富山県の県境付近を北東-南西方向に延びる右横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.

097-03 あとつがわ
跡津川活動セグメント
所属起震断層名 : 跡津川起震断層
岐阜県北部から富山県南東部にかけて東北東-西南西方向に延びる右横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.

104-01 すごう
数河活動セグメント
所属起震断層名 : 戸市川起震断層
岐阜県北部を東北東-西南西方向に延びる右横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

096-01 さおとめだけ
早乙女岳活動セグメント
所属起震断層名 : 早乙女岳起震断層
富山県東部を北東-南西方向に延びる右横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

097-01 みだがはら
弥陀ヶ原活動セグメント
所属起震断層名 : 跡津川起震断層
富山県東部を東北東-西南西方向に延びる右横ずれ断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

299-01 くろびしやま
黒菱山活動セグメント
所属起震断層名 : 黒菱山起震断層
富山県東部を北東-南西方向に延びる南東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

091-01 ねこまたやま
猫又山活動セグメント
所属起震断層名 : 猫又山起震断層
富山県東部,飛騨山脈の西麓を北北西-南南東方向に延びる西側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991)による.

130-02 せきどうさん
石動山活動セグメント
所属起震断層名 : 邑知潟起震断層
石川県中部,能登半島の基部を北東-南西方向に延びる南東側隆起の逆断層.邑知潟地溝帯の南東縁を限る.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002)による.

130-01 びじょうざん
眉丈山活動セグメント
所属起震断層名 : 邑知潟起震断層
石川県中部,能登半島の基部を北東-南西方向に延びる北西側隆起の逆断層.邑知潟地溝帯の北西縁を限る.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002)による.

130-03 のでら
野寺活動セグメント
所属起震断層名 : 邑知潟起震断層
石川県中部,日本海沿岸を北北東-南南西方向に延びる東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002)による.

132-01 かなざわへいやとうえん
金沢平野東縁活動セグメント
所属起震断層名 : 金沢平野東縁起震断層
石川県南部,金沢平野の東縁を北北東-南南西方向に延びる東側隆起の逆断層.断層位置は活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),池田ほか(2002),都市圏活断層図「金沢」による.